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原子力発電所は日本に何個ある?

原子力発電所は日本に何個ある?

2011年の東日本大震災以後、悪の象徴のように扱われている「原子力発電所」。もちろん、原子力発電所はその時代、時代において必要性があって建設されてきており、建設の際には良くも悪くも多くのドラマがあったのもまた事実です。では、日本にはどの程度原子力発電所があるか、皆さんご存知でしょうか?

日本の原子力発電所の運営母体について

日本の原子力発電所の運営母体について
3種類の運営母体

まず、日本で原子力発電所を運営する団体には3種類の団体があります。

1.民間の電力会社
皆さんの家庭に電力を供給している、地域ごとの電力会社です。北から順番に、北海道電力、東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力となります。電力会社は、これに加えて「沖縄電力」がありますが、沖縄電力は原子力発電所を持っていません。

2.共同出資の電力会社
一般的になじみがない会社ですが、「日本原子力発電」、略して「日本原電」という会社があります。この会社は、1950年代、原子力発電が夢のエネルギーと言われていた時代に、「日本で原子力発電を推進しよう」という目的で設立された会社です。なお、この会社は電力を家庭に届けることはやっていません。発電した電力は、民間電力会社に販売され、そこから家庭に届けられています。

3.研究目的の国営法人
「国立研究開発法人日本原子力研究開発機構」という、漢字19文字が続く法人があります。この法人は、日本の技術で先進的な原子力発電所を研究開発するために作られた法人です。一般的なものとは違うタイプの原子力発電所で発電ならび研究開発を行っていました。

日本の原子力発電所の数

2017年2月現在、日本の原子力発電所の数はこのようになります。なお、原子力発電所は「原子炉」という実際に発電を行う機械が設置されている敷地だと考えてください。多くの場合、一つの発電所の中には、複数の原子炉があり、発電を行っています。日本で最も大きな原子力発電所は、新潟県にある「柏崎刈羽原子力発電所」で、1つの発電所に7つの原子炉があります。

現在 発電所名
運用中 泊、東通、女川、福島第二、東海第二、柏崎刈羽、浜岡、志賀、敦賀、美浜、大飯、高浜、島根、伊方、玄海、川内、もんじゅ
廃止・解体中 東海、ふげん、浜岡(一部)、福島第一、美浜(一部)、敦賀(一部)、玄海(一部)、島根(一部)、伊方(一部)
建設中・開発中  大間、上関

運用中が17発電所で、今後建設予定があるのが2発電所です。

今後原子力発電所の数はどうなる?

今後原子力発電所の数はどうなる?
今後原子力発電所の数はどうなる?

日本の原子力発電は、紆余曲折がありながらも原子力発電所、原子炉ともに少しずつ増えてきた歴史でした。原子力発電先進国とも言われ、原子炉を作る技術を持つ「三菱重工」「日立」そして「東芝」の3社が、国内だけでなく、海外での案件受注を目指して営業活動を強化していました。そんな最中に起こったのが、2011年の東日本大震災です。東京電力が所有する福島第一原子力発電所が壊滅的な打撃を受け、悪い意味で歴史に残る大惨事になってしまいました。福島第一原子力発電所近くに住んでいた住民は、今も自宅に戻ることができない毎日を送っています。

原子力発電所は「万が一」の事故を考えて、人口密集地である都会ではなく、過疎地に作られることが多いです。しかし、過疎地であっても、ひとたび事故が起こると国民感情的に「許容できない事故」と認識されることになりました。よって、今後日本で原子力発電所を増設することも、また既存の原子力発電所で原子炉を増設することも、ほぼ不可能だと考えてよいでしょう。

そして、上記で運営中とされている発電所も、その多くが「点検中」「停止中」といった名目で実際に稼働していません。原子力発電所の数自体は当面は変化しないでしょうが、稼働している原子炉が今後増加することはないでしょう。そして、数十年をかけて、徐々に耐用年数に達した原子炉が廃炉されていき、原子炉の数も、原子力発電の数も減っていくことでしょう。

もし、原子力発電所や原子炉が増えるとしたら、次のような事態が発生した場合に限られます。

1.火力発電所の燃料価格の高騰
火力発電所は、燃料である石炭、石油、LNG(液化天然ガス)を燃やして発電を行っています。今後、こうした燃料の価格が高騰した際に、運用コストの観点から再び原子力発電が見直されることになるかもしれません。

2.再生エネルギーが普及しない
太陽光、風力などの再生エネルギーが普及が遅れ、原子力発電所の落ち込みをカバーできない場合です。日本政府は、再生エネルギーの固定価格買取制度を行っており、再生エネルギーの普及に努めていますが、これがうまくいかなかった場合です。しかし、実際のところは、高い買取価格に魅せられて多くの事業者が太陽光発電に参入しているため、再生エネルギーが普及しないことは考えにくいです。

3.日本の人口が増加する
人口が増えると、電力を使う人が増えて、電力が足りなくなります(これは、発展途上国の多くで現在起こっている現象です)。しかし、日本の人口統計と将来予測では、日本の人口は2010年前後をピークに、今後は減少の一途をたどる見込みです。日本政府が、強力な子育て支援策を行う見込みはなさそうですし、海外からの移民を積極的に受け入れることもなさそうなので、人口は増えることはないでしょう。よって、原子力発電所の必要性が増すこともないと思われます。

上記の中で、最も可能性がありそうなのは1.火力発電所の燃料価格の高騰 になります。ちなみに、日本で原子力発電所を増やす大きなきっかけになったのは、1973年の第一次オイルショック、ならび1979年の第二次オイルショックでした。そして、原子力発電が見直されたのも、「第三次オイルショック」とも呼ばれる、2004年から2008年の原油価格の高騰でした。つまり、「第四次石油ショック」が来たら、再び原子力発電が見直される可能性が高いでしょう。その時、もしかすると、日本の原子力発電所が増えるかもしれません。

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