エコナウ

環境問題ニュースメディア。エコナウは環境問題に役立つ情報を配信し、「今」エコを考え、取り組む企業や個人を応援します。

再生エネルギーとは何か正しく理解しよう

再生エネルギーとは何か正しく理解しよう

どんな人でも毎月支払っている電力料金。この料金の支払い項目に「再生エネルギー発電賦課金」という項目があることはご存知でしょうか。電力の総使用量に応じて毎月一定額がかかっている費用なのですが、そもそも「再生エネルギー」が何か、ご存知でしょうか。

再生エネルギーとは

再生エネルギーとは
再生エネルギーとは

再生エネルギーとは、簡単に言うと自然の働きにより、ほぼ無尽蔵に発電されるエネルギー(電力)を指します。そして広義には「太陽光」「風力」「地熱」「バイオマス」そして「水力」を指します。しかし、「水力」は昔から発電に利用されてきたため、通常は水力を「再生エネルギー」とあえて呼ぶことはありません。

再生エネルギーの対義語は、「非再生エネルギー」になりますが、こちらは「何かしらの燃料を燃やして作るエネルギー(電力)」になります。一般的には、石油、石炭、天然ガス(LNG)、そして原子力を指します。

再生エネルギーがなぜ必要なのか

再生エネルギーがなぜ必要なのか
再生エネルギーがなぜ必要なのか

第二次大戦終了後、日本は人口の増加と一人当たり電力消費量の増加により、電力不足が生じました。現在の発展途上国と同様、停電が多かったのです。「安定した電力供給」がないと、市民生活に支障があるだけでなく、交通機関の乱れ、工場など産業施設の稼働にも影響があります。電力が当たり前に使える現在からは想像できませんが、電力が不足していた当時は、電力不足は国力の増加を阻害する大きな要因かつ深刻な問題でした。

日本政府は、水力発電所の増設、火力発電所の増設、そして原子力発電所の研究開発ならび設置を進めました。そして、早々に行き詰ったのが水力発電所です。水力発電所を作るには、適した自然環境がある必要があります。よって、一生懸命水力発電所を適した場所に作った結果、これ以上水力発電所を作るのに適した場所がなくなってしまったのです。

次に行き詰ったのが火力発電所でした。1950年代、1960年代は、産油国よりも国際石油資本と呼ばれる大手石油会社(シェル、BPなどの石油資源開発・販売企業。大手7社だったことから「セブンシスターズ」と呼ばれました)が強く、原油価格も安価で安定していました。しかし、1970年代に起こった2度のオイルショックにより、石油産業の主役は、大手石油会社から産油国に移りました。そして原油価格が一気に高騰した結果、日本の火力発電は曲がり角に差し掛かりました。99%以上の石油を輸入に頼る日本は、これ以上石油に頼り続けることは、経済的に、そして産油国からの外交圧力を考えると、危険だったのです。

そこで注目された原子力ですが、何度か海外で事故がありながらも、幸いにも日本では大規模な事故がないまま21世紀を迎えました。そして起こったのが、3.11と福島第一原発事故です。これまで、「日本では原子力発電所が完全に管理されており、複数の防御壁があるので、事故が起こっても外に放射性物質が漏れることはない」という説明がされていました。しかしながら、これは誤りであることが判明し、原子力に頼ることも危険だと露呈しました。

日本政府は、これまでのエネルギー開発方針をここで大転換します。これまで脇役だった「再生エネルギー」の開発を強化します。しかし、再生エネルギーの開発には膨大なお金がかかるため、「電力会社が一定期間(20年)、再生エネルギーで発電した電力を買い取るので、みなさん自費で再生エネルギー発電設備を設置してください」という制度を開始しました。この制度はFIT (固定価格買取制度)と呼ばれています。こうして、再生エネルギーは一気に日本のエネルギーの表舞台に登場したのです。

再生エネルギーの問題点とは

再生エネルギーの問題点とは
再生エネルギーの問題点とは

再生エネルギーは、自然が生み出すエネルギーを電気に変える方法、というと聞こえが良いのですが、いくつかの問題を含んでいます。

1.発電量の問題
太陽光や風力などの発電方法は、昔から知られていましたが普及していませんでした。それは、火力発電や原子力発電と比べると圧倒的に発電量が少ないからです。現在最大の太陽光発電所は、ソフトバンク苫東安平ソーラーパークだとされていますが、発電量は11.1万キロワットです。そして原子力発電所で日本最大(世界最大でもあります)の東京電力柏崎刈羽原子力発電所の発電量は1100メガワットが5基、1356メガワットが2基で、合計8,212メガワットとなります。これをキロワット換算すると、821万2,000キロワットです。約74倍の規模なります。

2.発電効率の問題
火力発電所や原子力発電所は、発電量を人間がコントロールできます。例えば、夏に多くの人がエアコンを使って電力使用が多い時にはフル稼働させて、そうでないときは稼働率を下げるなどコントロール可能です。しかしながら、太陽光も風力も、発電量は「お日様任せ」「風任せ」なので、コントロール不可能です。明日どれくらいの量の電力が発電されるか、全く分からないのです。

3.再生エネルギー発電賦課金負担の問題
政府が再生エネルギーの固定価格買取制度をはじめると、多くの事業者やファンドが参入してきました。長期間に渡り、信用力の高い国が発電した電力を全量、高い値段で買い取ってくれるので、「儲かる」と判断したからです。そして、再生エネルギー発電賦課金の負担は、電力料金に上乗せするという形で、国民が薄く広く負担しています。
お金のある企業やファンドが、お金儲けのために作った再生エネルギー発電所で発電された電力について、国民が上乗せ費用を何十年も払い続けるのはフェアなのか、という議論が起こっています。簡単にいうと、「お金持ちはよりお金持ちになり、そうでない人は薄く広くお金を取られる」という批判です。

再生エネルギーは、様々な批判や疑問を投げかけながらも、国のエネルギー開発のため推進せざるを得ない、というのが日本政府の立場です。今後は技術開発が進み、より少ない費用で再生エネルギー発電所を作ることができ、それにより再生エネルギー発電賦課金の負担増大といった問題が少しでも解消されていくことが期待されます。

コメントはこちら

*
*
* (公開されません)

私が取り組む環境問題

More

おすすめ記事

Return Top