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京都議定書とは何か?

京都議定書とは何か?

1997年12月。京都は地球温暖化問題の最前線にありました。地球温暖化を防止するための歴史的な取り決めがなされ、各国は色々な思惑がありながらも、世界中に国々が「温室効果ガスの削減目標」について同意したのです。日本の京都で合意された議定書であることから、日本でも大々的に報道がされ、歴史的な成果だと賞賛する声が多く上がりました。

地球温暖化問題について、はじめて数値目標を盛り込んだ京都議定書とその後について、いま一度振り返ってみましょう。

京都議定書に至るまで

京都議定書に至るまで
京都議定書に至るまで

地球環境の問題については、80年代にクローズアップされたのは「オゾン層破壊問題」
でしたが、90年代に入ってからは注目されたのが「地球温暖化問題」でした。産業化により、化石燃料の使用量が増える、そして豊かになることにより個々人が家庭で多くの電気を使ったり、多くの者を買ってを消費するようになりました。すなわち、産業界でも、家庭でも、化石燃料の使用量が急増し、その結果、CO2をはじめとする大量の温室効果ガスが大気に排出されました。これが地球温暖化です。

化石燃料の利用増で最も大きいのは「電力消費」です。電力は発電所によって大量に作られ、これが送電網を経て家庭や工場に届けられています。なお、発電方法には、「水力」「火力」「原子力」「再生エネルギー」の4種類があります。温室効果ガスの排出がない発電方法としては、水力発電と再生エネルギーがあります。しかし、水力発電はもう新設余地がない状態です(水力を使って発電できる場所にはもう発電所が設置されており、これから設置できるような良い場所がない)。また再生エネルギーは、90年代当時は発電効率が悪すぎる(発電所の設置費用と比べて、発電できる電気量が極端に少ない)ため、現実的な選択肢となりませんでした。そうすると、電力使用量に対応するには、温室効果ガスを排出する「火力発電所」と、火力発電所よりは温室効果ガスが少ないものの、それでも少なくない量を排出する「原子力発電所」しか選択肢がありませんでした。どうやっても、電力使用量が増えてしまうような状況です。

また、ここでは「先進国」と「発展途上国」という観点も必要です。先進国はこれまで多くのエネルギーを消費し豊かな生活を謳歌してきました。この先進国が「地球温暖化問題を『発見』した」ので、みんなで温室効果ガスの削減を減らしましょうといっているわけです。これは、発展途上国からすると、「先進国が豊かな生活をしてきた結果だ。私たちも豊かになる権利がある。先進国だけ温室効果ガス削減頑張れ」という意見になるわけです。みんなが一丸となって、同じ方向を向いて問題解決に取り組めるような状況でもなかったのです。

しかしながら、そこで「仕方ない」とあきらめていては、地球温暖化問題に対して何もせず受け入れることにつながってしまいます。地球温暖化が進むことで、国土が水没して国がなくなってしまう人、温度が上がって作物が育てられなくなる農家、氷が解けて住める場所がなくなるホッキョクグマやアザラシ、異常気象の発生で影響を受ける多くの人たちなど、多方面に影響が出ます。小さな限定的な問題ではありません。よって、「問題は多くあるが、数値目標を決めてみんなで地球温暖化問題に取り組もう」として始まったのが、「地球温暖化防止京都会議」なのです。

京都議定書の合意とその後

京都議定書の合意とその後
出典元:WWFジャパン

京都議定書の目玉は、国ごとに設けられた温室効果ガス削減目標です。国ごとに、1990年に排出された温室効果ガスの量を100だとすると、2008年から2012年の5年間の間に最低5%を削減することが義務付けられました。そして、国によってはさらに高い目標が課せられました。例えばイギリスは8%、アメリカは7%、日本は6%といった具合です。これらの削減目標は先進国に対してのみ課せられ、発展途上国は一切の削減目標がないという内容で合意しています。

しかしながら、京都議定書はその後、不完全なものへと変わっていきます。世界最大のエネルギー消費国であるアメリカが、議定書の批准を拒否、そしてカナダは京都議定書からの離脱を表明しています。国内だけの枠組みであれば、いったん合意したことを拒否したら罰則を科すことができますが、国同士の枠組みとなると、批准拒否や離脱を行ったところで何のペナルティを科すこともできないのです。

そんな中でも、日本は京都議定書の議長国であったことから、政府だけでなく、産業界や個人、芸能人を巻き込んだ国民運動「チーム・マイナス6%」(6%は日本に課せられた削減目標の数値)を開始させるなどして、達成しています。また、EU加盟国の削減目標総量も達成しています(EU加盟国ごとに目標はありますが、EUの総量として8%削減を約束をしています)。しかしながら、批准を拒否したアメリカはマイナスではなく、9%の増加になっており、離脱したカナダは24%も増加している、というところで目標年度の最終年である2012年が終わりました。

京都議定書後・中国とインド

京都議定書後・中国とインド
京都議定書後の中国とインド

京都議定書の対象国は「先進国」のみです。世界トップ2の人口大国である中国とインドは、「発展途上国」ということで京都議定書の対象国とはならず、温室効果ガス削減の数値目標を一切負わずに済む立場であり続けました。結果、インドは200%の増加、中国はなんと251%も温室効果ガスの排出が増加しています。

こうした大国は、「豊かな大都市」と「貧しい農村」の二極化が激しいこと、そして都市圏の人口が「中規模の国程度あること」から、何とかして中国とインドという大国を、部分的であっても温室効果ガス削減の対象とすべきという意見も多くあります。しかしながら、温室効果ガス排出量を人口1人当たりに直すと、先進国よりまだまだ低いため、中国とインドからすると不平等感が募る状況です。今後は、先進国の排出量をさらに減らすアプローチと、発展途上国を枠組みに引き入れる努力が、温室効果ガス対策の中心になっていくものと思われます。

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