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地球寒冷化という言葉を知っていますか?

地球寒冷化という言葉を知っていますか?

地球温暖化が大きな環境問題としてクローズアップされる昨今。1997年の京都議定書の目標達成のために、日本政府がエコ家電を後押ししたり、「チーム・マイナス6%」という運動を盛り上げたりしたことを覚えている人は多いでしょう。しかし、いまから40年ほど前に、地球温暖化とは全く逆の「地球寒冷化」という問題が提唱されていました。どのような問題として理解されていたのか、一度振り返ってみましょう。

地球寒冷化とは

地球寒冷化とは
地球寒冷化とは

地球寒冷化とは、地球の温度が徐々に下がっていって、地球において寒い場所が増えていく現象を言います。この説は、1970年代に、1940年代からの30年で世界の気温が下がっているという調査結果がきっかけでした。地球の歴史を振り返ると、数千年単位で地球が暑くなったり、寒くなったりを繰り返す循環を繰り返しているため、「この30年の気温の低下こそが、地球寒冷化サイクルのはじまりの証拠だ」と主張されたのです。

科学者の多数は「地球は徐々に温暖化しており、その原因は温室効果ガスの排出によるもの」という論を取っていましたが、一部の科学者からは、地球寒冷化の可能性についても指摘されるようになりました。

最も支持を集めた主張は、「石炭や石油を燃やすと、地球を温暖化する温室効果ガスと同時に、排出されるガスに含まれる微粒子(エアロゾル)が地球寒冷化を進める」という主張です。もう1つは、ならび地球の公転する位置が微妙にずれることで、地球に降り注ぐ日光の量が減り、これが地球寒冷化を招くという主張です。科学者の大勢の意見、すなわち地球は次第次第に温暖化している、という意見を覆すには当たりませんでしたが、科学者以外の一般大衆やマスコミからは大きな注目と人気を集めました。

「核の冬」

「核の冬」
「核の冬」

1970年代は、アメリカとソビエト連邦(ソ連)の超大国が世界を西側(アメリカ側・資本主義)と、東側(ソ連側・社会主義)に二分されていました。アメリカとソ連の超大国同士は核兵器を持ち、超大国同士の正面衝突は危険なので、代わりに世界中で「アメリカが支援する政府軍」と「ソ連が支援する反政府ゲリラ」といった戦争が起こっていました(アメリカとソ連の代理で戦争している、ということから「代理戦争」と呼ばれました)。なお代理戦争は、核兵器ではない通常兵器(核兵器、生物兵器、化学兵器以外の兵器)を使って行われていました。

核兵器保有国は、広島と長崎に原子爆弾が落とされた時点ではアメリカのみでしたが、国連常任理事国(アメリカ、イギリス、フランス、ソ連、中国)は核兵器を公式に保有し、かつイスラエル、インドなども公式また非公式に核兵器を保有しています。そして、核兵器を保有していないまでも、多くの国(韓国や南アフリカなど)が核兵器の開発を秘密裏に行っていました。核兵器を持った国が増えるということは、核兵器が使われる可能性が増えるということです。1970年代は、1960年代に起こったヒッピー、反体制文化、反ベトナム戦争といった運動が一段落したものの、世の中に対して懐疑的・悲観的になっている人が多くいた時代です。こうした世間のムードに「核の冬」という予測がうまく刺さりました。

核の冬とは、アメリカ人の天文学者で作家でもあるカール・セーガンさんが主張した論説です。核兵器を保有する国同士が戦争して、核兵器が多く使われるようになることで、核爆発による微粒子が地球上空を覆って、地球に入ってくる日光が減り、結果地球は寒冷化する、という説です。この説はある意味正しく、大規模な核爆発が多発すると、セーガンさんが主張するような事態が発生だろうと、シミュレーションの結果から実証されました。

現在からみる「地球寒冷化の可能性」

現在からみる「地球寒冷化の可能性」
現在からみる「地球寒冷化の可能性」

しかしながら、実際には地球寒冷化は起こりませんでした。エアロゾルのような問題は、地球寒冷化を引き起こす以上に地球温暖化を促進させました。そして、地球の公転の変化は、何千年、何万年単位で起こる事象なので、ここ数十年で大きく変化することもありませんでした。

さらに、1991年にソ連が崩壊するまでも、そしてソ連が崩壊した後も、核実験以外で実際に核兵器が利用されることはありませんでした(なお、コンピューターの進歩により、核実験すらコンピューターシミュレーションできるようになり、実際の核実験回数も激減しています)。どのような科学的観点から見ても、地球寒冷化は実際には起こりませんでした。

今後、人間がコントロールできる要素、またできない要素で、地球寒冷化が騒がれることがあるかも知れません。しかし、現実的には、それ以上に差し迫った地球温暖化の対策に心血を注ぐべきでしょう。

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