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再エネ発電賦課金とは?

再エネ発電賦課金とは?

毎月の電気料金の金額。「今月は高かった」「寒さが和らいで安くなった」など、請求金額の合計にばかり目がいってしまいがちですが、「再エネ発電賦課金」という項目があるのはご存知でしょうか。

「あれ、いつの間にか新しい名目で料金が上乗せされている?」と思った方、正解です。こちらでは、「再エネ発電賦課金」、正しくは「再生可能エネルギー促進賦課金」とは何か、そしてなぜこの賦課金を払わなければならないのか、についてご説明します。

再生可能エネルギー固定価格買取制度

再生可能エネルギー固定価格買取制度
再生可能エネルギー固定価格買取制度

そもそも、再エネ発電賦課金なる名目の請求項目は、最近までありませんでした。電力料金は、この3通りでした。

1.基本料金(電気を使わなくても毎月払う金額)
2.電力料金単価に使用電力をかけた金額(いわゆる使った分にかかってくる電気料金)
3.燃料費調整単価に使用電力量をかけた金額(火力発電用の燃料である石油や石炭の価格が上がった場合の調整金額)

これに「再エネ発電賦課金」なる項目が加わってきた、というわけです。この賦課金は「再生エネルギー固定価格買取制度」という制度が作られたために発生したものです。

発電所が電力を作るとき、水力発電と再生可能エネルギーを除いて、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスを排出します。この温室効果ガスの排出量が増えると、地球の温暖化を促進し、低地の水没、気候の変動、農業や漁業への影響など、深刻な問題を多方面で引き起こします。こうした問題を減らすために、「できるだけ温室効果ガスを発生しない、再生エネルギー発電を促進すべき」というのが、多くの科学者の共通見解になっています。

そして、3.11の東日本大震災が、再生エネルギーを後押ししました。日本の原発は安全と思われていたのですが、大地震により旧ソビエト連邦のチェルノブイリ発電所並みの大事故を引き起こしました。「温室効果ガスの削減」に加えて、「脱原発」が加わり、再生可能エネルギーへの傾斜が一気に強まったのです。

ちなみに再生可能エネルギーとは、太陽光発電、風力発電、地熱発電、バイオマス発電、そして水力発電になります。水力発電は、多くの水源地に既に大きな発電所が設置されていますが、今後新設の拡大余地は非常に少ないので、一般的には、水力を除く4発電のことを、再生可能エネルギーと呼ぶことが多いです。

火力発電、原子力発電と、再生可能エネルギーとの最も大きな違いは、その効率性です。再生可能エネルギーの1キロワットあたりの発電単価は、火力発電や原子力発電のそれと比べて、少なくても数倍、多いと何十倍もします。また、再生可能エネルギーは、「太陽が出ていないと発電できない」「風が吹かないと発電できない」というように、必要な時に必要な量を発電できないのです。

いくら再生可能エネルギーを普及させたいからといって、採算性度外視で電力会社がどんどん再生可能エネルギーを使った発電所を多く設置するだけのお金はありません。そこで、「再生可能エネルギーの発電所を作るお金は企業や個人が自分で払ってください。しかし、そこから発電された電力は火力や原子力発電の数倍の値段で買い取りますよ」というのが、この「再生可能エネルギー固定価格買取制度」なのです。

「再生可能エネルギー固定価格買取制度、ってのは分かるけど、『固定価格』ってのは何の意味があるのかな」と思われた方、鋭いです。例えば、2012年に大規模な太陽光発電の発電所を作った場合、1キロワットあたり43.2円で電力を買い取ってもらうことができます。しかし、もし価格が変動価格だった場合、買取価格が翌年には半分になってしまい、せっかく発電所を作った資金が回収できない事態が生じます(再生可能エネルギーの投資回収には、少なくとも数年、長ければ20年近くかかります)。よって、「2012年に再生エネルギー発電所を作った人は、10年または20年、何があっても同じ価格で買い取りします」というのが、「固定価格」という意味です(銀行の定期預金が超長期のものであっても、約束した利率が支払われるのに似ています)。

賦課金は誰に支払われている?

賦課金は誰に支払われている?
賦課金は誰に支払われている?

電力を利用する全ての家庭・企業から薄く広く徴収している賦課金ですが、ではこの賦課金は誰に支払われているのでしょうか。正解は、「電力会社がいったん徴収したのちに、再生可能エネルギー発電所を運営している個人・法人に支払われている」です。ご説明した通り、個人や企業のお金で再生可能エネルギー発電所を自腹で設置し、脱温暖化、脱原発に貢献している人に対して、電力会社を通じて毎月お支払いしているのです。賦課金を取るからといって、それで電力会社が儲かるわけではありません。むしろ、「この賦課金とは何だ!こんな料金を支払うと合意した覚えはないぞ」といったクレームを多く受けている、ある意味かわいそうな立場なのです。

賦課金は今後増えるの?減るの?

賦課金は今後増えるの?減るの?
賦課金は今後増えるの?減るの?

賦課金の金額は、「再生可能エネルギー固定価格買取制度を使って買い取られた電力量」に比例します。固定価格買取制度を使った発電が少なければ、賦課金は少なく、この制度を使った発電が増えると、賦課金も増えるという仕組みです。なお、賦課金は2030年まで増加を続ける見込みです。これは、固定価格買取制度の買い取り期間が10年もしくは20年になっていることが理由で、2030年ころに賦課金のピークが来ると試算されているためです。つまり、賦課金はまだまだ増えます。

賦課金が増えるということは、電力を使う家庭や企業の負担が増えるということです。家計や企業への影響を抑えるため政府は、特に多く発電されている再生可能エネルギーの項目については、毎年買取価格を下げるようにしています。例えば、2012年に稼働した太陽光発電所の買取価格(10kW以上)は43.2円で20年間ですが、これが2016年になると25.92円で20年間となります。買取価格が下がれば、発電所を設置するうまみが減るので、自然と参入者が減り、賦課金はさらに増えなくなる、という仕組みです。

これとは別に、「43.2円や、25.92円という買取価格がそもそも適切なのか」といった声は多くあります。しかしながら、3.11を経験し大規模な原発事故に巻き込まれた日本国民としては、この賦課金に対する大規模な反対運動などは起こっていません。賦課金を追加で払うのは腹が立つが、脱原発を実現する上での一要素として、ある意味「安心料」的に支払うのであれば納得している、というのが多くの国民の声ではないかと思われます。

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