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大気汚染問題とその解決について考える 2017年版

大気汚染問題とその解決について考える 2017年版

先日、日本に旅行に来た韓国人の友人が「日本はいいなあ」とつぶやきました。理由を聞くと、「韓国は季節によって、中国からPM2.5(微小粒子状物質: 特に人体に有害で呼吸器に疾患を引き起こす物質)が飛んでくるので、安全でないだけでなく、東京のような青空が見られない季節がある」というのです。

日本ではかつて、大気汚染は大きな社会問題でした。しかしながら、長い年月と苦難を経て、大気汚染は過去のものになりつつあります。よって、日本国内だけで考えるのではなく、隣人である中国の急速な工業化をヒントに、2017年の大気汚染問題について考えてみたいと思います。

大気汚染=誰もが通る道

大気汚染=誰もが通る道
画像は中国北京

発展途上国だった国で、産業が発展し、先進国に向かう途中に必ず通過しなければならないのが、「不十分な公害対策」そして「公害の一環として起こる大気汚染」です。21世紀を生きる日本人の中には、「中国は公害を改善しない、とんでもない国だ」と思う方がいるかもしれません。しかし、こうした公害は日本人が50年前、60年前に発展途上国から先進国になるに当たって経験してきたことなのです(四日市ぜんそくや光化学スモッグという言葉を覚えている方も多いでしょう)。まだ自国を「発展途上国」と認識している中国で大気汚染が起こるのは、全く驚きではありません。

公害の防止と、産業の進展はときにはトレードオフになります。公害を防止する規制を多く設けることで、そうした規制をクリアするために多くの労力、そして資金を投じなければならなくなる。そうすると、経済成長の速度が落ちてしまう可能性があるのです。そして、公害対策を行うための資金は、特に中小企業にとっては過大な負担になってしまうのです。よって、本来は望ましくありませんが、「公害対策を行わない、という選択をする」ことは、状況と目標によっては合理的な選択肢となります。例えば、「公害によって亡くなる人が10万人いたとしても、経済発展を優先させることで貧困によって亡くなる人が100万人減る」場合、経済発展を優先させるのは合理的になります。

国境を越える大気汚染

国境を越える大気汚染
国境を越える大気汚染

もしこうした大気汚染が、国内でとどまっているのであれば「そうか、かの国はそのような選択をしたのか」で済みます。あくまで国内問題だからです。しかし、大気汚染は残念なことにグローバルです。汚染物質に国境はありません。中国のPM2.5が朝鮮半島や九州に上陸する、インドネシアの野焼きの煙がシンガポールやマレーシアに飛来する、ということは日常的に起こっています。隣国によって自国が被害を被っている場合、「大気汚染は誰もが通る道だ。仕方ない」では済まされなくなります。放置しておくと、自国民の安全を守ることができません。

対策&実効力&技術

対策&実効力&技術
対策&実効力&技術

とはいえ、日本や韓国が、別な国と別な政府を持つ中国を指示することはできません。よって、できることは「圧力をかける」か「お手伝いをする」かは別にして、何らかの影響力を行使することになります。キーワードは「対策」「実効力」、そして「技術」です。

まず、問題を認識して、対策を立ててもらうことが重要です。日本には、公害により多くの人が亡くなった苦難の歴史があります。現在進行形で起こっている中国に対して、日本の経験を伝え、どのような対策であれば現実的かを提案する、一緒に考える(考えるお手伝いをする)ことが効果的かもしれません。

そして次に、その対策をどのように実効力を持たせるかについても、一緒に考えることです。前に出てきたインドネシアの野焼きについても、インドネシアの法律で禁止されています。禁止されているにも拘らず、野焼きを行うのは、野焼き以外の方法を知らない、または土地を肥沃にするための肥料を買うお金がない、などの理由があります(皆、法律に違反してまで、野焼きをしたくてしているわけではありません)。対策を立てるだけでは不十分で、実効力を持たない理由を一つ一つつぶしていく、それも複合的な取り組みによってつぶしていくことが必要となります。

最後に技術です。日本は公害を乗り越えてきた歴史があります。その中には、技術の進歩により公害を封じ込めてきて来た歴史も多分に含まれています。大気汚染を防止する技術は脱硫装置だけでなく、多種多様なものがありますが、こうした技術をもって積極的に営業することは、企業のビジネスを伸ばすだけでなく、人の命と健康を救うことに直結するため、より大きな価値があります。

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