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地味に拡大中、風力発電について知ろう

地味に拡大中、風力発電について知ろう

地球にやさしい再生エネルギー、といって多くの人が思いつくのは、まず太陽光です。太陽電池で動く電卓などあることから、そもそも身近ですし、住宅地にはソーラーパネルが屋根に乗った家を見ることも多いです。そして、多くの場合2番目に来る再生エネルギーが風力です。大平原や岬などで、大きな風力発電の風車が風を受けて回っているところを思い浮かべる人が多いようです。

実はこの風力発電、いま地味にですが拡大しています。

そもそも風力発電とは?

そもそも風力発電とは?
そもそも風力発電とは?

風力発電とは、風の力でタービンを回して発電を行う、という発電方法を指します。電力を発電する、というと、何か魔法の力で電気を作っているように思うかもしれませんが、実際のところは「タービン」という大きなエンジンを、「何の力で動かすか」だけの違いなのです。風の力でタービンを回せば「風力発電」、核燃料で水を温めて蒸気の力でタービンを回すのが「原子力発電」といった具合です。

風力発電は「再生エネルギー」というカテゴリーに入ります。化石燃料のような有限な資源を燃やして電気を作るのではなく、風という事実上無限のエネルギーを使って電気を作っているからです。地球環境や自転などに大きな影響がない限りは、エネルギーを生産し続けることができるのです。

では具体的に風力発電の仕組みを見てみましょう。風力発電の風車、または風車がたくさん並んでいる「風力発電所」は、風が多く吹く場所に設置されます。多くは沿岸部ですが、海の上に人口の島を作って、そこに風力発電所が作られることもあります。風力発電の風車は、風が吹くとその風を受けて回転します。風車が回転することによって作られるエネルギーでタービンを回して発電を行い、この電力が送電線を経て電力として供給される、という仕組みです。

風力発電は、「事実上無限のエネルギー」「化石燃料を燃やさないので、CO2などの温室効果ガスが出ない。よって地球温暖化を促進しない」「比較的設置が容易」といった多くのメリットがあります。しかし、「風車が回るときに騒音がする」「発電量は『風任せ』でコントロールできない」「1kWあたりの発電コストが高い」といったデメリットもあるのです。

風力発電はなぜ拡大しているのか?

風力発電はなぜ拡大しているのか?
風力発電はなぜ拡大しているのか?

では、風力発電がなぜ拡大しているかについてご説明します。これにはいくつもの理由があります。

1.脱化石燃料の動き(国策として推進)
先進国だと、特にヨーロッパで顕著です。また中国でも変化に富む多様な国土を生かして導入が急速に進んでいます。現在世界的に主流である火力発電や原子力発電は、化石燃料を燃やしてそれをエネルギーに変えるという発電方法で、確かに効率が良いです。好きな時に好きな量を発電できますので、夏にエアコンを大量に使うときなど、急きょ多くの電力が必要になった場合などにその真価を発揮します。

しかしながら、地球温暖化を促進すること、そして石油や石炭といった資源価格によって発電コストが上がったり下がったりするという弱点もあります。先進国の中でも、特に風が強い場所に位置し、沿岸部を多く持つ国にとって、風力発電は現実的な選択肢になっています。風力発電への依存率が高い国としては、下記の通りです(全発電量に対する風力発電の比率)。

・デンマーク:42%
・ポルトガル:23%
・スペイン:16%
・アイルランド:16%
・イギリス:11%
・ドイツ:8%

2.発電効率の向上
かつて風力発電は「企業のイメージ向上に使うもので、現実を考えると大規模な風力発電など無理」と言われていました。「自然に優しい企業」をアピールするために、敷地に1基、2基の風力発電の風車を立てるが、その発電には大して期待していない、ということです。こういわれた理由は、「建設コストに比して、発電量が少ない」ということでした。

しかしながら、風力発電が急速に浸透したヨーロッパを中心に、効率が良く低価格の風力発電機器の開発が進みました。そして、現在では世界最大の風力発電所(甘粛省風力発電所: 沿岸部ではなく内陸部)を持つ中国メーカーが、自国向けと海外向けに高性能の風力発電機器を開発してきています。

3.再生エネルギー固定価格買取制度
再生エネルギーの普及を進めるために、再生エネルギーの発電所で発電された電力を、国・電力会社が、相場の数倍で買い受ける制度、それが「再生エネルギー固定価格買取制度(Feed In Tariff、略してFIT)」と呼ばれています。ヨーロッパだと1990年代からこの制度を導入した国がありますが、日本でも2012年に制度が導入されています。太陽光などと並んで風力発電も優遇されており、火力発電や原子力発電の発電単価の約3-4倍の買取価格がついています。

風力発電の今後

風力発電の今後
風力発電の今後

再生エネルギーは、「燃費の良い車」のようなものでした。つまり、原油価格が上がると、ガソリンの価格も上がるので人気になるが、原油価格が下がると、ガソリンの価格も下がるのでさほど人気がなくなる、というものです。しかし、FITの導入により、企業にとって風力発電は「儲かるか、儲からないか」で判断する投資案件の1つになりました。

温暖化ガスを出す出さないといった話や、化石燃料が倫理的でなく再生エネルギーが倫理的といった話とは関係がないのです。実際に日本では、2012年のFIT開始以後、「買取価格が高くて儲かる」と見た国内企業、海外企業がこぞって参入しています。よって、FITの買取価格が魅力的である限りは、風力発電も盛んであり続けるでしょう。

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