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世界最強(最凶?)の環境保護団体、グリーンピースとは?

世界最強(最凶?)の環境保護団体、グリーンピースとは?

環境保護団体、といってもピンとこない人でも、「グリーンピース」という名前を知っている人は多いかと思います。世界的に活動をしている団体で、トラブルを起こしたこともあるお騒がせ団体、、、といった内容については何となく知っているが、詳しくは知らない、という方が大多数ではないかと思われます。以下では、環境保護団体としてのグリーンピースの成立から現在までについて、そして今後について考えてみたいと思います。

グリーンピースとは

グリーンピースとは
グリーンピースとは

グリーンピースはカナダ発祥の世界的な環境保護団体で、1971年に設立され、世界55か国で活動するNGO(非政府組織)です。環境保護団体としては、活動が高く評価されていることから、国連の会議への出席資格がある数少ない団体となります。どの国の政府や企業からも献金を受けていないため、団体の主義主張に沿った中立的な活動を継続しています。現在ではオランダのアムステルダムに本部を置いています。

なお、グリーンピースを知るうえで、設立年次が1971年ということはとても重要です。1960年代後半から、1970年代初めにかけて、アメリカやカナダ、そして世界中で「ベトナム反戦運動」が繰り広げられていました。特にアメリカでは、ベトナムというアメリカからはるか離れた場所に「共産主義から世界を守る」という名目で多くの若者が送られていたため、大規模な運動が起こっています(日本も同様で、「ベトナムに平和を!市民連合」などの団体が率いるベトナム反戦運動が起こっていました)。そして、このベトナム反戦運動は、単に「ベトナムで行われている戦争に反対する」のではなく、「既存の文化やものの考え方に反する文化」、カウンターカルチャーを生みました。現代では珍しいものではありませんでしたが、当時、環境保護主義は、カウンターカルチャーの一部だと考えられてました。つまり、グリーンピースが生まれたのも、このカウンターカルチャーの流行がありました。

事実、グリーンピースは団体の公式な創設前に、コンサートを行い核実験の阻止を訴えています。これは、ベトナム反戦運動、またヒッピー文化の時期の一つの金字塔として有名な1969年の「ウッドストック・フェスティバル」を下敷きにしているいってよいでしょう。音楽と政治的主張の結びつきが強かった時代です。

グリーンピースの活動と日本での事件

グリーンピースの活動と日本での事件
グリーンピースの活動と日本での事件

グリーンピースが扱っている環境保護テーマは多岐に渡ります。日本では、クジラの保護が有名ですが、それ以外には以下のものがあげられます。グリーンピースの団体創設の当初の目的が反核であったため、反核活動は現在でも団体の中心テーマとなっています。

・核や原子力発電に対する反対
・再生エネルギー発電の促進
・クジラなどの海洋資源の保護
・森林保護
・食の安全
・大気汚染や土壌汚染の防止

そして、これだけではなく環境保護団体を超えた活動も行っています。

・平和維持活動への貢献
・政府の活動を監視(環境保護ならび税金の使い道について)
・企業への働きかけ(環境保護活動の支援呼びかけ)

こうした多岐に渡るテーマについて、グリーンピースは、「非暴力直接行動」という方法で活動を行っています。独自の調査や示威行動は行うが、調査対象である政府や企業、また故人に直接的な危害が及ぶ活動は行っていません。グリーンピースが一般的に行っている活動は、次のようなものになります。

・特定の問題について独自の調査を行う
・調査結果について、グリーンピースの公式ホームページで発表、またはマスコミに対して情報を提供
・自分たちの主張が浸透するように、情報を拡散
・特定の問題について具体的な活動(例:核実験、核燃料の搬入、クジラ漁の実施など)が行われる際に、現地まで出向いてデモ活動を実施

ちなみに、グリーンピースから分派して発足した団体に、クジラ保護の環境団体で有名な「シーシェパード」という団体がありますが、こちらは単に「直接行動」と謳っています。グリーンピースは肉体的な危険がある暴力的な行動は一切行いません。そしてシーシェパードでは、危険がある暴力的な行動を否定しない「直接行動」であるため、両者の手法は大きく異なります。そもそも、シーシェパードの創設者がグリーンピースを離れたのは、「非暴力」という手法が手ぬるかったためだと言われています。

日本では、グリーンピースというと、2008年の事件のため悪い意味で有名になっています。この事件は、「グリーンピース・ジャパンのスタッフが調査の名目でクジラ肉を盗み、それを証拠としてクジラ漁の問題性についての調査の記者会見を行ったが、そもそも窃盗であったため有罪となった」といったお粗末な事件です。グリーンピース側の調査は、捕鯨船の乗組員が会社承諾のもと、クジラ肉を持ち帰っていることについて疑義を呈するものでしたが、窃盗という調査手法により支持が集まらず、結局のところ深い調査を行われないまま、あいまいなまま終了しています。

このような理由で日本では評判が悪いグリーンピースですが、グリーンピースが常にこのような違法な手段で調査の証拠収集にあたっているわけではありません。ほとんど全ては合法的な活動のみを行っています。

グリーンピースの今後

グリーンピースの今後
画像:ニコニコニュース

グリーンピースの創設にかかわったメンバーは、まだ存命の人もいますが、既に亡くなった人もいます。しかし、創設スタッフの死去はグリーンピースの活動に影響を与えませんでした。グリーンピースは、一人のカリスマが、強烈な個性で引っ張っている団体ではなく、各国のグリーンピースが独自の組織として存在し、その活動を取りまとめている連邦、連合体のような組織になっているためです。よって、中核となる価値観を共有したうえで、各国の活動は国ごとにそれぞれ行われています。日本のクジラ肉調査についても、オランダ本部からの指示ではなく、グリーンピースジャパンのスタッフによる独自の試みです。

カリスマがいない組織は、爆発的な成長力、求心力を持たないことが多いですが、組織的に、システマティックに合議制で運営されるため、理念に沿った活動を穏健に、そして長い期間にわたって行う上では適しています。グリーンピースは今後も、活動を地道に長く続けていくものと考えられます。そして、環境保護というと一般的には「ゆとりのある先進国人の話題」ですが、現在の発展途上国が成長して所得水準があがることで、環境保護の重要性に気が付いた人が団体の支持者として流入することで、徐々に活動規模は大きくなっていくのではないかと推察できます。

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