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水素水のウソ・ホントを探る

水素水のウソ・ホントを探る

まずはじめに、こちらの広告をご覧ください。

パナソニックの還元水素水生成器
画像:パナソニックの還元水素水生成器

日本の家電最大手であるパナソニックによる水素水生成器の紹介となります。左下に「還元水素水を読むと、胃腸症状の改善、具体的に胃もたれや胃の不快感をやわらげ、お通じが良好になる」との記載があります。

次に、こちらの広告をご覧ください。

メロディアンハーモニーファイン
メロディアンハーモニーファインの広告

こちらは、パックされた水素水を販売する「メロディアンハーモニーファイン」社の広告です。水素水を引用している人が、「何かが全身を駆け巡った感じ!」というコメントが紹介されています。右下には、「※個人の感想であり、効能・効果を保証するものではありません」との記載もあります。

このように、水素水には「具体的な効能を紹介されている広告」と「個人の感想が紹介されている広告」が混在していて、各企業で言うことが全く違っています。「水素水って実際のところ効果があるのか、ないのか、さっぱり分からない」という方が多いのは、このような理由から来ています。こちらの記事では、各社が主張する水素水の効能をピックアップして、実際のところどうなのか、検証してみたいと思います。

水素水の効果についての説明3パターン

水素水を扱う企業には主に、「水素水を作る機械」を販売する企業と、「パックされた水素水そのもの」を販売する企業の2種類があります。前者の代表的な企業は、パナソニックとシャープで、後者の代表的な企業は伊藤園になります。そして、パナソニック、シャープ、伊藤園といった日本を代表する企業以外にも、多くの中小零細企業が「水素水を作る機械」または「パックされた水素水そのもの」を販売しています。

ここから、身もふたもない話をします。国民生活センターの調査により、水素水関連製品を販売している企業のうち、約半数しか水素水の効果検証を行っていないことが判明しています。広告で効果がありそうなことを記載しているにもかかわらず、販売している企業の半数は水素水の効能をきちんと調べていないのです。

そして残りの半分の「調べている企業」です。調べている企業の主張は、主に3つに分かれます。1つめは、パナソニックのように「水素水を飲むと胃腸症状が改善します」というように具体的な効能を謳っている企業です。2つめは、「何かが全身を駆け巡った感じ!(※個人の感想です)」と、具体的な効能を明記せず、あくまで個人が感じた印象を伝えるだけの企業です。最後に3つめは、伊藤園やシャープのように、「水分補給に役立ちます」というように、普通の水としての効果のみを伝える企業です。

効能3パターンのうち2パターンは「ウソ」

この3パターンの説明のうち、2の個人的な感想は、まずウソだと考えるのが良いでしょう。もし具体的な効能があるのであれば、研究を行ってその成果について発表する、また臨床試験を行うなどのデータによる裏付けがあるはずです。効果を裏付けられるデータがないので、「飲んで健康になった気がする」という声を集めて、それをあたかも効果であるように誤解させようとしています。これは多くの健康商品の販売で使われている手法です。健康食品のブーム、入れ替わりがあまりに早いのは、どれも具体的な効能がないが、たまたま注目されたもの、広告をたくさん投じたものが売れる、という商品サイクルであるためです。

次に、3の「水分補給に役立つ」というものです。水素水の効能が「水分補給」なのであれば、高い水素水生成器や、パック入り水素水を買わずに、水道水を飲めばいいのです。水道水と効能が同じものを、分かっていて高値で販売しているのです。だからこそ、何かあったときに「ウチは効果を謳ってないですよ。嘘はついていません」と言い逃れができるような広告ばかり作っているのです。

パターン1の効能を信憑性は?

最後に具体的な効能を謳っている場合です。水素水の効能は、科学界ではおおむね否定されているにも関わらず、それでも「具体的にこのような効果がある」と言っているのは、次の2社です。

(1)パナソニック
まず、パナソニックの水素水サーバーのホームページを見ると、「うちの製品は、還元水素水生成器で医療機器です」という表記とともに、このようは表記があります。

「還元水素水とは電気分解の電極反応で還元され、その時に発生する水素を含んだアルカリ性の飲用可能な水であり「アルカリ性電解水」と同一です。」

なんと、パナソニックでは「アルカリ性電解水=アルカリイオン水」と「還元水素水」が同じであることがしれっとばらされています。アルカリイオン水のブームはかなり前にきていますが、2016年の水素水ブームは実は同じものだったのか、と驚愕です。

そして「胃腸症状の改善」という効能が謳われているにも関わらず、その詳しい説明がホームページに全く掲載されていません。普通、効果がある製品であれば、「うちの製品はこんなにすごい。このような仕組みで、このような効果があります」と記載するものですが、そうした記載が一切ないのです。効能について自身があれば記載するだろうに、記載しないというのは、「ウソとは断言できないが、非常に疑わしい」と言われても仕方ないでしょう。

(2)KIYORAきくち
パナソニックのような大企業の後にやってくるのは、熊本県の中小企業であるKIYORAきくちです。この会社では、「水素水は悪玉活性酸素を減らすのに役立つ」という記載があります。しかしながら、この「活性酸素」という言葉、この言葉は健康食品業界ではほとんど根拠なく広く用いられている「危険」な言葉です。この会社も「活性酸素を減らす」と言っていますが、具体的にどのように減らしているのか、どのような研究の結果減らせるのかなど、詳しい記載がありません。活性酸素は老化の原因と言われていますので、もし水素水で活性酸素が本当に減らせるのであれば、ノーベル賞クラスの発明で世界が一変します。私たちの知る限り、世界は一変していないので、この会社の謳う効能は「ウソ」と言って問題なさそうです。

「水素水のウソ・ホントを探る」のまとめ

パナソニックが謳う水素水(=アルカリイオン水)の効能「胃腸症状の改善」は「ウソとは断言できないが非常に疑わしい」ですが、これを除き、他はすべて水素水の効能がない、またはウソの効能だと断言してよさそうです。「ウソ・ホントを探る」という題名でしたが、ホントと断言できるものは1つもありませんでした。

体調が悪い時は、水素水にすがるのではなく、普通に健康的な生活を送るように心がけたり、運動したり、病院に行く方が確実で効果がありますので、皆さんも水素水のことは忘れて、今後も出てくるナントカ水に騙されないようにしてください。

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