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土壌汚染について考える 2017年度版

土壌汚染について考える 2017年度版

2017年6月時点で、東京・築地市場の豊洲移転に関して、完全な決着はついていない状態です。この移転に関して、安全性について問題があるとされた結果、現在のように移転が難航しています。そして、何の安全性について問題があるか、というと、「移転先の豊洲の土壌汚染」が問題であるとされています。

以下では、そもそも土壌汚染とはどのような原因で発生し、現代日本においてどのような危険性があるかについてお伝えしたいと思います。

土壌汚染とは

土壌汚染とは
土壌汚染とは

まず、土壌汚染とは「特定の土地の土壌に、有害物質が残留していること」を指します。例えば、自宅の庭に大量の天ぷら油を流し込んだら、その土壌には油が浸透して作物が育たなくなったり、油の臭いがするようになります。これで土壌汚染の出来上がりです。

もちろん、実際に起こっている土壌汚染はより複雑で様々な原因によって、より大規模に発生しています。

1.農業による土壌汚染

農業による土壌汚染
農業による土壌汚染

現在では、土壌汚染につながるような農薬の散布は許可されていません。農業において、適量の農薬を利用すれば、土壌が汚染されることなく農作物を効率的に育ていることができます。

「農薬を散布すると、どんどん土壌に農薬が蓄積されていくのではないか」と思われる方もいるかと思いますが、これは違います。農薬は日光や微生物などにより分解されて、消失していきますので、農薬が長期間残留することはありません。日本で現在許可されている農薬は、こうした点をクリアしたものに限られています。よって、農薬による新たな土壌汚染は起こりにくいと考えられます。

2.工場からの有害物質の排出による土壌汚染

工場からの有害物質の排出による土壌汚染
工場からの有害物質の排出による土壌汚染

築地市場の豊洲移転で問題になったのがこの点です。

築地市場の移転先である豊洲新市場予定地は、かつて東京ガスの豊洲工場として使われてきました。この場所では、かつて石炭を利用してガスを製造していたため、石炭から出る有害物質により土壌汚染が起こっていて、新市場で働く人たちや、そこで取引される海産物に害があるのではないかという危惧でした。

豊洲新市場移転の是非はさておき、かつて安全対策や土壌汚染という言葉もなかったころの経済活動が、現在になって土壌汚染として問題になるのは典型的なケースです。

3.産業廃棄物による土壌汚染

産業廃棄物による土壌汚染
産業廃棄物による土壌汚染

かつて、住宅などがない土地を、産業廃棄物処理場として使っていたが、都市化と人口増加に伴い、その土地を住宅用地として整備し、戸建てやマンションを建て販売した場合です。

愛知県小牧市の「桃花台ニュータウン」の一部は、かつて製紙会社が保有し、産業廃棄物の廃棄場として利用されてきました。その事実を伏せられたまま、1970年代に桃花台ニュータウンの販売が開始されました。

30年以上経過した2006年になって、桃花台ニュータウンの開発に当たった都市再生機構が産業廃棄物がまだ残っており、基準値を上回る有害物質があることも確認されています。このように、何十年経ってから発覚したり、問題となることが多いのも土壌汚染の特徴です。

土壌汚染された土地をきれいにすることは可能か?

土壌汚染された土地をきれいにすることは可能か?
土壌汚染された土地をきれいにすることは可能か?

あらゆる物質には「半減期」(ある物質が消失して半分の量になるまでにかかる時間)があり、ある程度の時間、年数がたつと有害物質であっても分解され消失していきます。しかし、半減期があまりに長い物質であったり、現在の方法では汚染を取り除くことができない場合もあるので、複合的なアプローチを用いています。

例えば、微生物を利用して油を分解する、汚染された土壌のなかで「汚染された土」と「汚染されていない土」を分離する、汚染された土を新しい別な土と入れ替えてしまう、などです。

どのような物質で汚染されているか、どれくらい早くに汚染された土壌を取り除かねばいけないかなど、複数の観点から最適な方法を選択して、土壌を「きれいにする」アプローチが行われています。

私たちが土壌汚染について気を付けること

私たちが土壌汚染について気を付けること
私たちが土壌汚染について気を付けること

私たちが気を付けるべきことは、主に2つです。

1.土壌汚染を引き起こさない
「一戸建ての自宅で、自分の土地だからどのように使ってもよい」と思われるかもしれませんが、あなたの死後、土地を相続した家族がいざ、土地を売ろうとしたときに、汚染が発覚すると多額の費用が掛かる土壌汚染対策を行う必要があったり、非常に安い価格で土地を販売しなければならない可能性があります。あえて土壌汚染を起こす経済的メリットは全くありませんので、自分の保有している土地であっても汚染しないように使いましょう。

そして、土壌汚染を自ら引き起こすことは、いくら合法であったとしても、倫理的な行動とはいえません。誰が見ても恥ずかしくない行動をとりましょう。

2.土壌汚染された土地を購入しない
一戸建てやマンションを購入する際、それも新しく造成された土地に建てられたものを購入する際は、その土地の土壌が汚染されていないか注意しましょう。

過去にどのような建物が建っていたか、土壌の安全性に関する調査は行われているのか、もし行われているのであれば測定結果・数値は確認できるかなど、個人でも調べられるポイントはたくさんあります。

家やマンションを購入するのは、数千万円以上もかかる大きな買い物です。不注意に購入してしまうと、後になって問題が発生しても、開発元が倒産してしまうなどで、損害賠償を請求できなくなる場合があります。

土壌汚染について考える・まとめ

土壌汚染の原因の種類、土壌汚染された土地をきれいにする方法、そして最後に土壌汚染について私たち一人一人が気を付けるべきことをお伝えしました。

ぜひ、一人ひとりが土壌汚染を引き起こさない、また土壌汚染された土地を購入しないよう、注意いただければと思います!

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