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ペーパーレスについて改めて考える

ペーパーレスについて改めて考える

Windows 95が登場して数年後、企業でパソコンが導入されることが当たり前になりました。「パソコンで物事を処理できれば、紙が減るはず!ついにペーパーレスの実現だ」と思った人も多いのですが、実は紙は減っていないという会社は多いのです。Windows 95発売から20年以上も経過したのに、いったい何が変わっていないのでしょうか。

なぜ「ペーパーレス」が失敗するのか

なぜ「ペーパーレス」が失敗するのか
なぜ「ペーパーレス」が失敗するのか

以前、ITコンサルタントとして企業のオフィス移転プロジェクトに何度かかかわったことがあります。多くの企業ではこのようなことを言います。

「この度、オフィスを移転することになりました」
「移転先のオフィスでは、1人あたりのスペースが半分になります」
「ペーパーレスは場所を取らず地球にも優しいです」
「よって、できるだけお金をかけずにペーパーレスを実現したいです」

しかしながら、この手の試みの多くは失敗しています。これには3つの理由があります。

1.紙ベースでないと進まない業務が多い
非常によくあるケースですが、業務がとにかく紙ベースであることが求められる企業があります。例えば、「稟議書は紙に印刷して出さないといけない」「印鑑を押さないといけない」といったものです。よって、社員は書類の確認や提出、承認のために会社に行かねばならないという事態が起こります。ペーパーレスを実現したいと言いつつ、業務のやり方を変更しない企業はいつまでたってもペーパーレスが実現しません。

2.昔の書類が電子化されていない
昔の技術資料、昔の契約書、昔のお客様との合意事項と言った書類は、常に必要と言うわけではないが、たまに確認する必要がある書類です。こうした書類が電子化されていないと、会社の中にかなりの場所を取って保管する必要があります。または、会社の中では収まらずに別に倉庫を借りて紙を保管する場合もあります。

こうした原本の保管についてですが、契約書を例に考えてみます。契約書の電子的な作成や保管が認められているにもかかわらず、まだまだ紙に対する信仰が強いのです。鶏が先か、卵が先かの話になりますが、「既存の契約書が電子化されていないために、契約書=紙でないといけないという考えが抜けず、新しい契約も紙で行ってしまう」という考えになってしまっていると思われます。

3.印刷しやすい状況を変えていない
最後に、昔に比べて簡単にどこからでも印刷しやすくなったことも、紙が増えている原因です。パソコンやスマホで「印刷ボタン」を押すだけで、何枚、何十枚、何百枚の印刷が完了します。印刷するのが簡単で楽であるからこそ、際限なく印刷してしまいます。そして、印刷した紙を受け取りに行くのを忘れる、印刷した紙が実は不要だった、という事態すら生じます。

ペーパーレスの失敗を回避するには?

ペーパーレスの失敗を回避するには?
ペーパーレスの失敗を回避するには?

ペーパーレスの失敗を回避するには、上記の逆を行う必要があります。

1.紙ベースの業務を全廃する
これまで紙であることが必須だった稟議書、企画書、人事書類等を全て電子化して、紙ベースの書類を法律で必要なもの以外全廃します。実際にこれを実現している企業は外資系企業やベンチャー企業を中心として多くあります。

紙ベースの業務を全廃するということは、ペーパーレスという狭い領域ではなく、業務改革、働き方改革になります。何故なら、紙を出すために会社に行くといった手間が省けて、より従業員が生産的な働きができるようになるためです。紙を出す代わりに、パソコンやスマホから使えるワークフローを導入する、それもワンタッチで完了するものを導入するといった工夫が必要です。もちろん、紙を電子に置き換えるだけの書類、例えば右上に印鑑を押す欄がずらっと並んでいるようなものは不要です。

また、社内会議で資料の印刷を禁止するのも手です。資料は全て事前にファイル共有して、紙の印刷は行わないことを当たり前にします。

2.過去の書類を全て電子化する
従業員をペーパーレスに慣れさせるためには、過去の書類を全て電子化することも一つの手です。もちろん、本当に全ての書類を電子化する必要はないので、例えば契約書などの重要書類に限り全て電子化し、文字列などから検索ができるようになります。紙の書類と違い、パソコンやスマホでいつでも、どこからでも書類にアクセスできるようになるため、利便性は向上します(実は、こうした書類はスキャンすることよりも、題名を付けて整理することの方が重要で、かつ時間がかかります)。

3.原則印刷しない
印刷しやすい環境は、ペーパーレス環境の敵です。とはいえ、顧客向けの資料を持参する営業部などであれば、プリンタが近くにないと不便という場合もあります。逆に、社内向けの業務を行っている部門などであれば、部署の近くにプリンタを置かないことで印刷枚数を減らすことができます。これまで私がコンサルティングを行った企業で採用した方法は以下の通りです。

・2フロアに1つしかプリンタを置かない
・各人の毎月の印刷枚数を公開する
・各部署に印刷費用を請求する
・プリンタまで歩いて行ってボタンを押さないと印刷開始されない
・「本当に印刷必要ですか?」というメッセージを表示される

ペーパーレスは必ず実現できる

ペーパーレスは必ず実現できる
ペーパーレスは必ず実現できる

業務を変える、過去書類を電子化する、印刷しにくい環境を作ることで、ペーパーレス化はぐんと実現しやすくなります。ペーパーレスはコストの削減、スペースの削減という側面よりも、従業員を紙から解放し、より自由に効率的に仕事ができるようになるというメリットのほうが実は大きいのです。ぜひチャレンジしてみてください。

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