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フラストレーション・フリー・パッケージという選択

フラストレーション・フリー・パッケージという選択

Amazon.co.jp(アマゾン)で買い物をするときに、「フラストレーションフリーパッケージ」(FFP)という選択肢をご覧になったことはありませんか?

フラストレーションフリーパッケージ(FFP)
フラストレーションフリーパッケージ(FFP)

アマゾンでは一部の消費で、商品を購入する時点で「FFP」と「通常パッケージ」の両方が選べるようになっています。このFFPとはどのようなものか、ご紹介いたします。

FFP=開けやすく地球にやさしいパッケージ

FFP=開けやすく地球にやさしいパッケージ
FFP=開けやすく地球にやさしいパッケージ

私はスマートフォンに入れるマイクロUSBや、USBメモリなどを買うことが多いのですが、こうした商品のパッケージの中にはかなり開けにくいものがあります。透明のプラスチック部分と、ボール紙のパッケージ部分が密着していて商品を開けるのが大変だったり、どのように開ければよいのか分からなかったりするものがあります。そして、何とか開けようとしたところ、誤ってプラスチックの角で皮膚を切ってしまったこともあります。「どうしてこうなるんだよ!」と、イライラして商品を部屋で投げ飛ばしてしまったことさえあります。

このようなフラストレーションがたまる経験をしてしまうと、同様の包装の商品に当たってしまった時、「今回は指を傷つけずに開けられるかな」「簡単に取り出せるかな」と不安になってしまうものです。

このような対策のためにアマゾンが開発したのがFFPです。FFPは「リサイクル可能な素材を用いて、簡単に開封できるように設計されたパッケージ」で、誰でも手軽に開けられるだけでなく、資源の無駄も少ないパッケージとなっています。

では、FFPと通常パッケージでどれくらい違うのか比較してみましょう。対象商品は、マイクロSDカードとなります。

(通常パッケージ)

通常パッケージ
通常パッケージ

このようなパッケージを量販店などで見たことがある方は多いでしょう。ボール紙の台紙の内側に透明プラスチック部分が挟み込まれています。簡単に開け口が表示されているものもあれば、開け口が全く表示されておらず、かなり苦労しないと開けられないものもあります。もちろん、プラスチックは石油からできていますので、資源が消費されています。

(FFP)

FFP
FFP

次にFFPです。FFPは、小さな封筒の中に商品が素っ気なく入っているだけです。「何だか味気ないな」と思う反面、「これだったら誰でも簡単に開けられるし、指をケガすることもないだろう」と思うのではないでしょうか。実際、私は基本FFPが選べる商品では常にFFPを選択していますが、開けるのは本当に簡単です。もちろん、プラスチックがパッケージに使われていることもないので、石油の消費もありません。

FFPは商品メーカーとの連携が必要

FFPは商品メーカーとの連携が必要
FFPは商品メーカーとの連携が必要

「FFPのほうが開けやすくて、地球にやさしいのであれば、全ての商品がFFPになればいいのに」と思われる方もいるかもしれません。しかし、FFPには唯一と言ってよい問題があります。それは「パッケージが素っ気なさすぎる」のです。

例えば、量販店などでマイクロSDカードを買う場合、同じ性能、同じ価格であれば、かっこ良い見栄えがするパッケージに入った製品の方が売れるのです。だからこそ、無駄だと分かっていても、製品メーカーは見栄えのするパッケージを作るのです。

しかし、インターネットによるオンラインショッピングがこうした状況を変えつつあります。アマゾンをはじめとするオンラインショッピングであれば、商品を購入する基準においてパッケージの見栄えは重要でなくなっています。実際に他の商品のパッケージと比較して、商品購入を決めるわけではないからです。

「なるほど、オンラインショッピングになれば全てFFPに移行できるのか」と思われた方、実はもう一点問題があります。FFPは、かなりの販売力があるショッピングサイトと製品メーカーの両社が合意しないと作れないのです。例えば、上記のマイクロSDカードはアマゾンの検索で上位に表示されている「売れ筋製品」です。「売れ筋製品」と「強力なショッピングサイト」が手を組んで、FFPという特別なパッケージを開発し、それをほぼアマゾン専用に販売する、ここまでやってようやっとFFPが日の目を見るのです。

アマゾンは常にユーザー目線

アマゾンは常にユーザー目線
アマゾンは常にユーザー目線

アマゾンの企業文化を伝える言葉に「カスタマーファースト」というものがあります。お客様第一主義の意味ですが、他の企業がお客様第一主義という以上にこの意味は大変重いのです。お客様が第一、ということは他の要素は全て第二位以下なのです。例えば、アマゾンに商品を納入しているメーカー、アマゾンにサービスを提供している取引先、そしてアマゾンの従業員まで含めて第二位以下なのです。お客様を第一にする、ということは、他の企業や他の人たちを優先しない、という選択をアマゾンは行っています。

また、アマゾンは「オンラインショッピング部門」と「クラウドサービス部門(Amazon Web Services)」の二部門がありますが、売上では圧倒的に大きいオンラインショッピング部門ではほとんど利益を出さない構造に「あえて」しています。これは、お客様第一主義を追求した結果とも言えます。

FFPという商品を開発すること自体は、アマゾンの利益には直結しません。むしろ、FFP開発に関わる従業員を雇う必要があるので、短期的にはマイナスです。しかし「お客様のためになることに力を注ぐ」アマゾン流のやり方で、間違いなくユーザーのためになっています。こうしたやり方を続けることで、結果「オンラインで何かを買う時の選択肢がアマゾン」という人が増えます。中長期的にみると、FFPは単に開けやすい、資源にやさしいということに加えて、巨大な顧客囲い込みツールとなっているのです。

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