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焼畑農業はなぜなくならないのか?

焼畑農業はなぜなくならないのか?

森林の消失、そして立ち上る煙による煙害から、多くの国では焼き畑農業は禁止されています。煙に国境はありませんので、焼畑農業は国内における問題だけでなく、他の国にも害をもたらす存在なのですが、焼畑農業は減ってはいるものの完全になくなる気配はありません。
では、なぜ焼畑農業がなくならないのか、そしてなくすためには何が必要かについて考えてみたいと思います。

焼畑農業のメリットとは?

焼畑農業のメリットとは?
焼畑農業のメリットとは?

焼畑農業とは、「土地に生えている草木を焼き払うことで、効果的に農業をする方法」です。そして、焼畑農業を利用するメリットについては以下の3点です。

1.焼き払うことで整地できる
例えば、雑木林を農地として整地するためには、木を切り倒したり除草するなど、多大な労力が必要となります。この整地を真面目にやろうとすると、長い時間とお金(人件費)が必要となるのです。しかし、焼畑を行うことでより短時間で整地が完了します。最小限の時間と人件費でかなりの部分の聖地が完了してしまうのです。

2.焼き払った草木が肥料になる
焼き払った草木を土と混ぜることで土壌が改良されます。灰により土壌が中和される、また肥料代わりになるのです。発展途上国の農民の多くは、現金を得る手段が限られています。よって、現金がなければ入手できない肥料を購入するには大きなハードルが必要です。しかし、焼畑農業であれば灰が肥料代わりとなるので、現金支出が不要です。

3.害虫の駆除
焼畑により焼き払われるのは草木だけではありません。例えば、その土地に住み着いている害虫も一緒に駆除することができます。もちろん、外注だけでなく他の虫や動物も一緒に駆除されてしまうのですが、農業においては益虫によるメリットより、害虫が与える害のほうが大きいため、割に合うのです。

つまり、焼畑農業とは「経済的に豊かではない発展途上国の農民」が「最小の労力で整地する」ためには、非常に効果的な方法なのです。

焼畑農業のデメリットとは?

焼畑農業のデメリットとは?
焼畑農業のデメリットとは?

次に、焼畑農業のデメリットについて見ていきたいと思います。

1.煙害
焼畑農業を行うことによる害、そして「焼畑農業を行わない人や地域に大きな影響を及ぼす」のがこの煙害です。例えば、インドネシアの焼畑農業による煙害が、隣国のシンガポールやマレーシアにまで及んでいることは非常に有名です。

多くの人が住む都市に煙が来ることは、
(1) 煙を吸い込んだ人が呼吸器の障害を引き起こす
(2) 道路や空路・空港などの交通が混乱する
といった問題を引き起こします。シンガポールのような先進国であっても、隣にインドネシアという広い土地の発展途上国があることで、煙害が直撃するという国境を越えた不条理に直面してしまうことになります。

2.森林火災
焼畑農業とは、「無作為に土地に火をつける」というものではなく、「循環的、計画的に焼畑を行う」ものです。しかしながら、自然を完全にコントロールすることはできないため、計画的に行っているはずの焼畑の火が大規模な森林火災につながることがあります。この場合、想定外の範囲の森林が消失することになり、結果、水害の危険が増える、火災により人名が失われる場合があります。

3.「えせ焼畑農業」の横行
「焼畑農業」のふりをして、土地を焼き払うが、実は「工業用地の整地の手間を短縮するためだった」という「えせ焼畑農業」が多く行われています。焼畑農業は、農民が農業を続けるための仕方ない行為だと見られている面もあり、世界中で完全な禁止が行われているわけではありません。こうした状況を悪用して「えせ焼畑農業」が行われているのです。

焼畑農業は今後どうなる?

焼畑農業は今後どうなる?
焼畑農業は今後どうなる?

焼畑農業の今後を考える上で必要な視点は、「発展途上国の都市と農村の経済格差」です。発展途上国の、国全体の1人あたりGDPは上昇を続けていますが、この数字は実は実態を反映していないことはよく知られています。つまり、「1人あたりGDPをはるかに超える所得を得る都市住民」と「1人あたりGDPをはるかに下回る所得しかない農民」の平均値が国ごとの1人あたり平均GDPだからです。

焼畑農業をやめるためには、土地から土地へ、土地を焼き払いながら循環するのではなく、1つの土地を肥沃にして固定的に農業を続ける仕組みが必要です。そして、このためには肥料や除草剤といった「現金で購入するもの」が必要になってくるのです。つまりは農民の所得が増える必要があります。

現在、発展途上国の多くは農民の所得向上対策をうまく行えているとは言い難い状況です。発展する都市のさらなる整備は行えても、農民の所得向上の抜本的な対策がないため、農村は貧しくなり、かなりの部分の農民が現金を求めて都市に工場労働者として職を求めてやってきています。

人口の増加により農作物の価格が高騰し、農民の所得が増加する、といった大きな環境的な変化により、農民の所得の向上が期待されるところではありますが、「こうした手法を用いれば、農民が豊かになる」という公式のような方法はないのが実情です。よって、残念ながら焼畑農業は当面はなくなることはないでしょう。

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