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都市鉱山とは何か?

都市鉱山とは何か?

「都市鉱山の活用でリサイクル型社会を実現」「資源価格高騰の今こそ都市鉱山の出番」というように、「都市鉱山」という言葉を耳にすることが多くなりました。普通に考えると、「都市には鉱山はない」のに、なぜ都市鉱山という言葉が用いられているのか、以下で見ていきましょう。

都市鉱山=金属資源のリサイクル

都市鉱山=金属資源のリサイクル
都市鉱山=金属資源のリサイクル

私たちが日々利用している電化製品、スマートフォン、パソコンといった電化製品の中には、「そのままの状態で再利用可能なもの」と「価値がない・古い・壊れているなどの理由で再利用できないもの」の2つがあります。

再利用可能なものについては、リサイクルショップで販売されたり、ヤフーオークションやメルカリなどで「中古 iPhone7 64GB」といった形で値段がついてやり取りがされています(特にiPhoneやMacBookなどのアップル製品は、中古でも高額でやり取りされています)。しかし、「再利用できないもの」については、「価値がないもの=ごみ」として処分されることになります。

実は、こうした電化製品の中には金、銀、プラチナといった高価な金属や、レアメタルと呼ばれる希少な鉱物資源が使われていることが多くあります。つまり、「製品としては機能を果たさなくなったので『ごみ』」なのですが、「ごみの中には価値ある金属が実はたくさんある」のです。こうした電化製品ごみから金属を取り出して、再び使える形にすること、またそうしたビジネス・産業のことを「都市鉱山」と呼びます。

都市鉱山の資源の循環の流れ

都市鉱山の資源の循環の流れ
都市鉱山の資源の循環の流れ

まず、電化製品やスマートフォン、パソコンを作っているメーカーは製品の企画を行います。製品の仕様が決まると、どの製品にどれだけの金属が必要となるかが明らかになります。電化製品メーカーが、自社の工場で製品を製造する場合は、金属を含めた各部品を、部品メーカーと交渉して調達し、それを組み立てることになります。逆に製品の製造を請け負う会社(OEM [メーカーの設計通りに製品の製造を行う会社] やODM [メーカーに代わって製品の設計と製造を行う会社] と呼ばれます)に製造委託するのであれば、部品や金属の調達のかなりの部分をこうしたOEMやODMに任せることになります。

そして製造された製品は、店頭に並び、購入され、使われていきます。そして、使用年数が過ぎた後(一般的にスマートフォンは2年程度、電化製品であれば5-10年程度)、一部は「再利用可能な物」として「製品」として流通しますが、大部分は「再利用できないもの」としてごみとなります。

家電リサイクル法で指定されている家電ごみの場合は、家電販売店が引き受けます。また、地方自治体に粗大ごみとして出されるものもあります。こうして集められた「ごみ」は、「家電ごみ」として「トン単位」、つまり重さで販売されていきます。こうした家電ゴミをトン単位で購入しているので、金属リサイクル企業、つまり都市鉱山企業となります。

購入した家電ごみは、トラックで金属リサイクル企業の工場に運ばれていきます。ここで、「必要な金属」と「それ以外」をより分ける作業が行われます。これは機械を使ってより分ける作業と、人間の目と手を使ってより分ける作業の2通りがあります(ここ10年ほどで機械化されている部分が増加しています)。

取り出した必要な金属については、「金」「銀」「レアメタル」として、金属を扱い企業に販売され、再び金属して用いられることになります。そして「必要な金属以外」、つまり「価値の低い金属」や「廃プラスチック」のほとんどは、再び産業ごみとして処分されることになります。

相場に左右される都市鉱山企業

相場に左右される都市鉱山企業
相場に左右される都市鉱山企業

都市鉱山企業の主な収入は、貴重な金属の売却益です。この売却益が「人件費、運送費、貴重な金属以外のごみ処分費、工場の運営費」などを上回る必要があります。この都市鉱山企業を運営する上で、最も重要かつコントロール不要なのが「金属価格の相場」です。

2008年前後の石油価格の暴騰、その後の暴落を見ると分かる通り、資源の価格は個別の企業がコントロールできるものではありませんし、予測ができるものでもありません。何も事業努力をしていなくても、「相場が上がったので利益が何倍にもなった」「相場が下がって大きな赤字が出た」というように経営が翻弄されかねないのです(これは、都市鉱山企業だけではなく、資源をビジネスとしている企業、例えば資源メジャー企業や商社なども同じです)。

2016年に、金属リサイクル大手の「木村メタル産業」が倒産していますが、これも銅の相場が暴落したことに耐えられなかったのが倒産の原因の1つだとされています。このように、相場に翻弄されながらも、企業を安定的に経営していかねばならない、しかし「ここぞ」という時には事業拡大のための大きな投資もしなければいけないという、ビジネス構造上の難しさがあります。

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