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環境保護を掲げる「緑の党」とは

環境保護を掲げる「緑の党」とは

税制、雇用、景気、社会福祉など、政治に関するテーマは多岐に渡りますが、その中に「環境保護・環境対策」というテーマが入るようになってから、数十年が経過します。東京・築地市場の豊洲移転論争を見れば分かる通り、環境というテーマは時に大きな政治的影響を及ぼします。

政治のテーマとして「環境保護」を持ち込み、主たる政策として世界中で活動している政党として「緑の党」があります。以下では、緑の党について見ていきましょう。

緑の党の歴史

緑の党の歴史
緑の党の歴史

1960年代以前は、政治において「環境保護」という概念がありませんでした。もちろん、工場による大気汚染といった問題は発生していましたが、これは「地域住民を公害から守るための活動」といった意味で、どちらかというと草の根の活動、住民運動というものでした。住民としての自分たちが「生活する上での不利益を減らすための活動」であり、「地球全体の環境を守る」といった意味合いはありませんでした。

これらが変化し始めたのは、諸説ありますが、1960年代から1970年代のベトナム反戦運動などと連動して発生した「カウンターカルチャー」、つまりヒッピーや「ラブ&ピース」と呼ばれた時代の「反体制的な文化、活動」が大きく影響しているとされています。実際に世界最初の緑の党とされる、オーストラリアの「ユナイテッド・タスマニア・グループ」(後に「オーストラリア緑の党」に改称)が誕生したのが1972年です。カウンターカルチャー真っ只中の時代です。

こうして誕生した緑の党は、オーストラリアだけではなく、カウンターカルチャーが広まった先進国、特に二大政党制でない多党制の国で大きな広がりを持つようになりました。具体的には、ベルギー、ドイツ、スイス、オランダなどの国々です。こうした緑の党の中で、実際に地方議会や国会で議席を獲得する党も登場しています。

なお、「緑の党(英語だと「Green Party」)」という表現がされますが、それぞれが独立した別々な政党として結成されています。ただ、特に政治活動における環境保護が積極的なヨーロッパでは「欧州緑グループ・欧州自由連盟」という、各国の緑の党同士の連携組織を設けられ、各国ならび国をまたぐテーマに関する情報共有が行われています。

また、「緑の党」という名称はあくまで「環境保護を主たる政策としている政党の通称」であり、全ての政党が「緑の党」と名乗っているわけでありません。例えば、ドイツ最大の緑の党は「同盟90/グリーンズ」と名乗っています。

同盟90/グリーンズ
画像:Wikipedia

緑の党が目指すもの

緑の党が目指すもの
緑の党が目指すもの

他の政党と緑の党の最大の違いは、緑の党は「環境保護主義」を強く打ち出した政党であるということです。この環境保護主義には以下のようなテーマを含みます。

・大気汚染防止
・核兵器、核廃絶、原子力発電所反対
・地球温暖化防止、気候変動対策
・オゾン層保護、フロンガス対策
・海洋汚染防止、海洋資源対策
・絶滅危惧種の保護
・森林保護、焼畑農業の規制
・土壌汚染防止
・食物の汚染防止、遺伝子組み換え食品規制

時代によって、国によって、そしてその時々の政局によって、重視されるテーマは異なってきます。また、時に矛盾する政策を含んでいることもあります。例えば、地球温暖化を促進する温室効果ガスの排出は、火力発電所よりも原子力発電所の方が少ないとされています。それなのに「原子力発電所反対」を主張するのは、「地球温暖化防止」とは矛盾するとも考えられます。とはいえ、完全に整合性が取れ、一切矛盾のない政策は存在しません。時の世論や、それぞれの政策のインパクトの大きさにより、特に重視する政策を変えているのは、「税制」や「景気対策」などの環境保護以外の政策を主張する政党と同じです。

緑の党の影響力と限界

緑の党の影響力と限界
緑の党の影響力と限界

環境保護に何の意味もない、環境保護など不要だという人はまずいないでしょう。しかし、数ある政策のテーマで「環境保護活動が一番大切」と考える人は非常に少ないのが実情です。

つまり、多くの人が「一番大切だ」と考えていない政策をメインで主張し続けている緑の党は、その性質からして第一党になることは、まずありえないのです。議会における議席獲得数は、良くて5-10%程度となります。

ヨーロッパの主要国を見てみましょう。ドイツの緑の党の国会での議席数は709議席中67議席、フランスだと下院で577議席中1議席、上院だと348議席中10議席、イギリス下院で650議席中1議席、上院で799議席中1議席といった具合です。
*2017年10月現在

このように、イギリスのような二大政党制の国では、第三勢力が育つ余地がなく議席の獲得が大変困難です。しかし、ドイツのような多党制の国では、ある程度の議席を獲得可能であるため、政局のキャスティングボートを握り、連立政権に入ることさえあります。このように「第一党になること」ではなく、「連立政権に入り一定の影響力を行使する」ことが、緑の党の立ち回り方の基本となります。

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