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中国は本気だ!大気汚染防止のために40%の工場を操業停止に

中国は本気だ!大気汚染防止のために40%の工場を操業停止に

中国の工業都市における大気汚染の深刻さについては「大気汚染が深刻な中国の都市ランキング2017」でお伝えしました。しかし中国政府も黙ってこの現状に甘んじているわけではありません。以下では、中国政府がいかに本気かについてお伝えします。

大気汚染撲滅は中国の重要国策

大気汚染撲滅は中国の重要国策
大気汚染撲滅は中国の重要国策

発展途上国にとって最も大切なことの一つは「経済成長」です。経済を成長させ、国民がこれまでより豊かになる。多くの国の政府は成長を最優先とし、他の問題を後回しにします。これはかつての日本も同様で、高度経済成長期の真っただ中には、四日市ぜんそくなどの深刻な大気汚染公害を引き起こしました。そして、ある程度の経済成長を達成した時点から、急速に公害対策が行われていきます。

中国もまさに、この真っ只中にあるといってよいでしょう。中国の一人当たりGDP (2017年見通し、名目GDP) は、8,582ドルに達しています。この8,582ドルという数字は、発展途上国の数字ではなく、中進国の数字といってよいものです。そして、経済成長で豊かになった中国は、かつての日本と同じように、これまで後回しにしてきた公害に対する対策を強化しています。

2016年に中国政府は、PM2.5の減少についての数値目標を打ち出しています。現在は1立方メートルあたり平均47マイクログラムのPM2.5を、19年後の2035年には35マイクログラムまで減少させるという計画です。削減幅は約25%となります。中国政府の環境保護大臣の李干杰氏は、「目標達成は非常に困難だろう。よって、達成のためにより大きな努力をしなければならない」とコメントしています。

ちなみに日本で環境庁(現在の環境省)が設立されたのは1971年となります。中国において環境保護省が設立されたのは2008年であり、日本と比べて約37年遅れての設置となります。

安全検査官による操業停止:中国は本気だ

安全検査官による操業停止:中国は本気だ
安全検査官による操業停止:中国は本気だ

中国は経済成長の真っただ中で、今後もさらなる成長が約束されています。経済成長が続くと言うことは、より多くの経済活動が行われるということで、当然、工場における生産活動も今後とも増加していきます。環境保護大臣が「目標の達成は非常に困難」と言っているのも、経済成長により今より多くの経済活動、多くのPM2.5が排出されるようになる中で、削減目標を達成しなければならないためです。20年以上低成長に甘んじている日本とは、この点が大きく異なります。

中国政府は本気です。環境保護の側面においては、中国はある程度経済成長・経済活動を犠牲にしても、国民の健康と安全を重視する政策にシフトしています。具体的には、中国政府に勤務する安全検査官が工場に立ち入り、排出ガス規制に違反していないかどうかを確認しているのです。

それも、お手盛りの検査ではありません。違反者には罰金が科され、そして特に悪質な違反者に対しては刑事罰を科し、懲役刑に服させることもまで行っています(起訴件数は8万件にも到達していると言われています)。そして、一時的にとはいえ、40%の工場が操業停止処分を受けるほど大規模な活動となっています。かつての中国ではありえなかったほどの真剣でかつ苛烈なものです。

中国が大気汚染撲滅のロールモデルになる?

中国が大気汚染撲滅のロールモデルになる?
中国が大気汚染撲滅のロールモデルになる?

中国政府の大気汚染撲滅の取り組みが最終的に目標を達成するのか、PM2.5の減少を数値で示すことができるかはまだ未知数です。しかし、確実に言えるのは、もし中国がこの巨大な取り組みに成功したら、全ての発展途上国・中進国の大気汚染撲滅のロールモデルになるということです。

つまり、大気汚染に苦しむ国が、実効力のある対策を行うにあたって、まず参考にするのが「中国モデル」となる可能性があります。かつても、そして現在も中国政府は公務員の汚職に悩まされています。例えば、違法操業している工場長が、操業停止を避けるために検査官に賄賂を送り、お目こぼしを期待する行為なども多数発生しているでしょう。これは、多くの発展途上国で行われている光景と似たものです(発展途上国において、公務員の汚職は当たり前のように行われています)。

大気汚染の課題に挑戦したのがもう何十年も前、そして公務員の汚職が少ない日本のような先進国の事例は、現在の発展途上国の状況と比べてあまりに違い過ぎて、そして古すぎてあまり参考になりません。それよりも、比較的近い時期で、似ている環境において問題の克服に本気になっている中国モデルのほうがよほど参考になります。

現在は大気汚染の代名詞である中国ですが、2035年には環境大国、環境輸出大国へと大変身を遂げ、世界の発展途上国に対して「中国モデル」の導入を支援しているかもしれません。

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